目次
基本の原理
二層カクテルを成立させる鍵は液体の比重の違いです。
- 比重が重い液体 → 下に沈む(例:グレナデンシロップ、コーヒーリキュール)
- 比重が軽い液体 → 上に浮く(例:蒸留酒、度数高めのリキュール)
一般的に、糖分が多いほど重く、アルコール度数が高いほど軽い傾向があります。
二層を作る2つの方法
レイヤード(重い液体を下に、軽い液体を上に)
狙い:境界がくっきりした二層。
手順
- グラスと材料を同じ温度でしっかり冷やす。
- 比重の重い液体を先に注ぐ。
- スプーンの背を使い、比重の軽い液体をゆっくり浮かせるように注ぐ。
例:B-52
- 下層:カルーア
- 中層:ベイリーズ
- 上層:グランマルニエ
フロート/沈める方式(軽い液体の中に重い液体を沈める)
狙い:グラデーションや沈んだ色彩が出る二層。
手順
- 軽い液体を先にグラスへ注ぐ。
- その後、比重の重い液体を静かに沈める。スプーンやグラスの壁を伝わせると綺麗に層ができる。
例:テキーラサンライズ
- 上層:オレンジジュース+テキーラ
- 下層:グレナデンシロップ(最後に沈めることで下に赤い層ができる)
成功させるコツ
- 材料をしっかり冷やし、温度を揃える
温度差は対流を生み、層が崩れる原因に。 - 注ぐスピードはゆっくり
2〜4ml/秒を目安に、スプーンの背から沿わせるように。 - グラスは直線的な形がおすすめ
コリンズグラスやショットグラスは層がはっきり見える。 - テスト注ぎを習慣化
比重差が小さい場合は、別グラスに少量を試して沈むか浮くか確認すると安心。
よく使われる比重の目安(重い順)
- グレナデン、シュガーシロップ、蜂蜜
- コーヒーリキュール(カルーアなど)
- クリームリキュール(ベイリーズなど)
- フルーツジュース類(オレンジ、パイン等)
- 加糖リキュール(ブルーキュラソー等、20~30%台)
- 高アルコールリキュール(コアントロー、グランマルニエ等、40%前後)
- 蒸留酒(ジン、ウォッカ、ラム、テキーラなど)
失敗しやすいポイントと対策
- 混ざってしまう → 注ぐ高さが高すぎ/速すぎ/温度差あり → 低位置&低速&冷却を徹底。
- 沈まない → 思ったより比重が軽いリキュールを使用 → 銘柄を変えるか、シロップを少し混ぜて比重調整。
- 層がぼやける → 比重差が小さい → 甘味を強化するか、上層に高アルコール度数の液体を選ぶ。
まとめ
- 二層は比重差で作る。
- 方法は「重い→軽いで浮かせる」か「軽い→重いで沈める」の2通り。
- 温度は必ず揃え、注ぎはゆっくり。
- レシピの美しさは「色のコントラスト」と「味のバランス」で決まる。
以上、カクテルを二層にするやり方についてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。