「カクテルは酔いやすい」と耳にすることがありますが、実際のところ、カクテルそのものが特別に酔いやすいわけではありません。
酔いやすいと感じられるのには、度数・飲み口・飲むペース・吸収の速さといった要因が複合的に関わっています。
目次
カクテルのアルコール度数は意外と高い
カクテルはジュースやシロップで割られているため、軽く感じられます。
しかし、ベースとなるウォッカ・ジン・ラムなどは40度前後の蒸留酒。割り方次第でグラス中のアルコール度数(ABV)はビールや日本酒より高くなることも珍しくありません。
代表的なカクテルの目安は以下の通りです(氷の溶け水を含む一般的な作り方)。
- ドライ・マティーニ:25〜33%(ショートカクテルの中でも強烈)
- マンハッタン:25%前後
- モスコミュール:9〜11%(ビール並み)
- ジン・トニック:8〜12%
- ロングアイランド・アイスティー:15〜22%(ロングながら強め)
「見た目や味は軽いのに実際は強い」ため、知らず知らずのうちにアルコールを多く摂ってしまいがちです。
甘さや酸味がペースを速める
カクテルは果汁やリキュールで味が調整されており、アルコールの刺激が隠れています。
そのため飲みやすく、ジュース感覚でグイグイ飲んでしまうことがあります。
しかし、酔いを決める最大の要因は摂取した純アルコール量と時間あたりの摂取スピード。
飲み口が良いほど、気づかないうちにペースが速くなり「酔いやすい」と感じるのです。
炭酸や空腹は吸収を早める
- 炭酸系カクテル(ジントニック、モスコミュール、ハイボールなど)は、胃内圧を高めて胃から腸への排出を速め、アルコールの血中濃度(BAC)の立ち上がりを早めます。
- 空腹時に飲むとさらに吸収が加速し、血中濃度のピークが高く出やすくなります。
つまり同じ量でも「回りが早い」と感じるのはこのためです。
錯覚が招く“酔いやすさ”
- 「味が軽い=酔わない」と思い込み、杯数を重ねてしまう
- 大きめグラス、ストロー飲み、冷たさによって飲みやすさが増す
- 氷で薄まっても総アルコール量は減らないため、杯数が増えれば確実に酔いは強まる
これらの要素が合わさることで、カクテルは「気づかぬうちに酔っている」お酒になりやすいのです。
まとめ
カクテルが「酔いやすい」とされるのは、
- 実際にアルコール度数が高めのものが多い
- 飲みやすさから摂取ペースが速まりやすい
- 炭酸や空腹が吸収を早める
- 軽く感じる錯覚で量を飲みすぎる
といった要因が重なるためです。
したがって、カクテル自体が特別に酔わせるわけではなく、飲み方や状況によって「酔いやすく感じやすい」というのが正確な答えです。
以上、カクテルは酔いやすいのかについてでした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。